砥部焼を訪ねて

2014.06.03(Tue)

 近頃伝統工芸品が見直されていて、吉祥寺や自由ヶ丘のおしゃれな雑貨屋でも、ちょっと渋めのやきものやガラス製品が棚を賑わせている。その中の、ぽってりとした厚手の乳白地に藍色の唐草模様が映える、『とべやき』というやきものを見たことはないだろうか。
「とべやき?え、知らない!」という人でも、実際に見たら「あーこれかあ!」となるかもしれない。
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砥部焼の唐草模様のクラワンカ茶碗
 
たとえば「クラワンカ」と呼ばれる、江戸時代、船の上で飯を食う時に使っていた高台(底の部分)が大きく作られているどんぶり茶碗は、今や東京や大阪にも多く出荷されている人気商品である。食べ物を美味しく見せてくれるシンプルな美しさ。今回はその「砥部焼」の90以上あるともいわれる窯元でも最も古く、規模の大きい『梅山窯(ばいさんがま)』を見学しに行って来た。
 
 四国は愛媛県の県庁所在地・松山から、車で国道33号を南下したなだらかな丘陵地に砥部町はある。松山市駅で930円のバス往復券(高島屋一階のいよてつ窓口)を買ってバスに乗り40分。『砥部焼産業会館前』で下車し、梅山窯(梅野精陶所)の看板を目印にひたすら山道を登っていく。この砥部町、とってものどか。畑で農作業中のおばあちゃん、自転車の小学生、道で出会う人がみーんな挨拶してくれる。そしてこの道、民家はあるものの、途中ジュースの自動販売機なんて無いので、暑い日には要注意。あらかじめバス停を降りてすぐのスーパーで飲み物を調達しておこう。20分ほど登りゼイゼイ息が切れてきたらやっと『梅山窯・梅野精陶所』という看板が見えてくる。

 まずは工場を見学しよう(見学は工場の人に一声かけて。無料。)。入り口には、このあたりで採れる良質の「カオリン」という磁器のもとになる石がごろん置かれている。広い建物の中を、成形、乾燥、素焼き、絵付け、釉薬がけの工程の順にたどっていく。職人さんが真剣に仕事をしている真後ろを、息をひそめて、進んでいく。

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 一番見たかった「絵付け」の工程は、気が散ってしまうからか公開されておらず、ガラス一枚隔てた向こう側の作業場で、絵付師さんが手を動かしている様子を遠巻きに眺めるだけだった。(それでも十分見ごたえがある見学コースです!)
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 最後、建物を出ると裏手におおきな登り窯がででーんとある。レンガを一つ一つ積み上げてまあるいドーム型にしてあり、薪を入れる口から、中に入ることもできちゃいます。入ってみてびっくりしたのは、外は30度くらいの暑さだったのに、登り窯の中はぞくっとするほど涼しかったこと。うーん、不思議。
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 登り窯にスターが3つ。窯用の道具かな?

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 この他にも、向かいに茅葺きの古陶館があり、さまざまなやきものや、やきものに関する資料を展示している。(入場無料)

 帰りには売店に寄ろう。砥部焼で一番大きい窯元だけあって、ここの売店は質・量ともにすばらしい。正規品の品ぞろえが良いのはもちろんのこと、少し絵付けが失敗したB品が半額近い値段で売っている。職人の目から見ての失敗なので、素人からはよく見なければ分からないくらいの違いだ。様々な大きさやデザインの中から、お気に入りの1枚を探すのは宝探しのようでとっても楽しい。
 
 私は、喫茶店をやっているのでコーヒーカップを20客購入。モダンで素敵なデザイン&絵付け。一客2000円前後。絵付けの面積や難易度によって値段が違います。
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東京まで梱包して送ってくれるとのことで、お願いした。たくさん買ってくれたからとおまけを頂いた。(一番最初の写真のクラワンカ茶碗を二つ!)うれしい♪

 その他にも窯元や絵付け体験の施設が近所に点在しているので訪ねてみても。ただし、梅山窯は他の窯からちょっと外れた山の上にある(=梅山窯だけで体力消耗しすぎちゃうと、歩きで他の窯元を訪ねるのはタイヘン!)ので注意。

 山を下って、お腹が減ったので、砥部焼観光センターの敷地内にある「JUTARO(ジュタロー)」というレストランで、お昼ご飯。地元の野菜や米、肉をふんだんに使ったランチプレート、とっても美味しく量も多くて満足。デザートをつけて1500円。
フルーツ山盛りのタルトが見た目も味もよかった。このお店は愛媛名産のフルーツを使ったデザートがおいしいそうです。

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朝9時に松山市駅を出発して、帰ってくるのが午後4時位、というゆったりなコース。
みなさんも、伝統工芸・砥部焼の里に、自分のお気に入り茶碗やコーヒーカップを探す旅に出てみてはいかが?
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Author:yocchero
Life Cafeでコーヒーを淹れたりケーキを焼いたりしています。カプチーノに絵を描いたり、紙に絵を描いたりもしています。

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